開院2周年を迎えて〜院長ご挨拶〜
2024年6月、開院から無事2年を迎えることができました。今までご支援とご理解をいただいてきた、数えきれないほどの方々に、心からのお礼を込めまして、ご報告させていただきたいと思います。
2年間で、ご依頼を受けて実際に訪問させていただいた患者さんは262名となりました。そのほとんどが、ケアマネジャーさん、訪問看護ステーションさん、病院の地域連携室からのご紹介になりますが、2年目に入り、当院をお知りになって新たにご依頼をくださる事業所や、1年目から続いて何度もご依頼をくださる事業所が出てきており、改めて、皆様に支えていただいているお蔭様で、この2年間と、これから先があるのだと感じています。微力ではありますが、これからも地域のニーズに応えられるよう精一杯努力してまいりたいと思います。
神戸市でも、在宅医療に関わるクリニックや事業所がどんどん増えてまいりました。どの事業所も工夫をこらされ、他にない特色を打ち出して努力されています。クリニックであれば、医師が増え、スタッフが増え、診療規模や患者数も右肩上がりで、分院などもオープンする、というのが分かりやすい発展の目安になるかと思うのですが、そうした点では、当院は3年目を迎えても、お知らせできることはありません。もともと規模を大きくすること自体を想定しておらず、相変わらず、院長の私と、看護師兼相談員の廣井の2人だけの最小ユニットで運営しております。規模を大きくしスタッフが増えることの利点はもちろんありますが、どうしても情報伝達が悪くなり、情報共有にかかる物理的・時間的なコストが増え、迅速性や機動力が落ち、場合によっては提供できる医療の質が下がってしまうこともあると考えています。2人とも、健康と事故に十分注意し、ストレスをためないよう、休息と栄養はしっかり摂るよう、今後も気を付けてまいります。
当院が開院から大切にしているのは、患者さん・ご家族の「安心」です。当たり前のことではあるのですが、これだけは今後何があっても揺るがないと考えています。患者さん・ご家族が少しでもよい時間を過ごしてくださること、緊急時にはしっかり連絡がつく安心感を提供すること、そのために、このクリニックを運営しています。
そうした我々の3年目の挑戦は、2つあります。
1つ目は、ICTツール(分かりやすく言えばインターネット)を利用した介護・看護事業所との連携強化です。できるだけ迅速に、また幅広く情報を共有し、患者さん・ご家族にとって、より心強い在宅チームの連携を作っていければと考えています。2人だけで運営している当院にとって、よりよい情報共有を強力に後押ししてくれるものと期待しています。
2つ目は、ケアマネジャーさんを対象に、事例を通じた小規模な勉強会を、お勤めの事業所まで出張して開催していきたいと考えています。患者さん・ご家族の生活の質を一番考えてくださり、大切な鍵を握っているケアマネジャーさんですが、医療の絡む度合いが増えてくると、お困りごとや疑問点が多々出てきて、つい遠慮してしまう場面もあるかと思います。介護・福祉と医療がよりよく連携できるよう、またこちらもケアマネジャーさんの知識やお考えから学ばせていただけるような機会になればと期待しています。
開院3年目、今後とも引き続き、どうぞご支援・ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
2024年6月 すこやか在宅クリニック 院長 辻本 健児 拝